│ 労働環境整備(実証実験) │
世の中の安全に対する意識の高まりから、警備ニーズは年々右肩上がりの状況です。しかし、 「警備=キツイ」というイメージを持たれることもあり、業界全体としてまだまだ人手不足で供給が追いついてない状態です。より多くの方に警備員という仕事を志望していただけるよう、これまでも協会として働きやすい魅力ある職場環境づくりに向けて取り組んできました。今回、新たな取り組みとして筑波大学発研究活用企業の田中名誉教授にご協力いただき、働き方改革に関する実証実験を行いました。実験において、従来の警備員の働き方をアップデートしていくべきである、という示唆ともとれる結果が見受けられました。これを機に、一人ひとりの現場の警備員のみなさんが働きやすい労働環境整備を進めていきたいと思っています。
実証実験ムービー
取り組みの概要・実験結果
実験の詳細情報はこちらをご覧下さい
- 実験①
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空冷グッズ活用
熱中症リスクと共に身体的負担が軽減され、運動能力が向上。
警備員のパフォーマンス向上に有用である。 - 実験②
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座哨の組み入れ
身体的負担と精神的ストレスを軽減し、運動能力が向上。
警備員のパフォーマンス向上に有用である。 - 実験③
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マスク着用
マスク着用により酸素吸入量は減るものの、身体影響は限定的で、
しっかりと感染対策を行って警備することが重要。
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熱中症対策
アイスハーネスやネッククーラーなどの空冷グッズの活用推奨により、夏場でも快適に業務にあたれるよう取り組んでいます。
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その他、様々な分野で
働き方の改善を行っています。 -
コロナ対策
マスクとフェイスシールドの併用など、感染予防対策のガイドライン策定により、安心して働ける環境づくりに取り組んでいます。
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ライフワークバランスの向上
個々人の状況・特性に応じて、労働時間や日数を調整・管理することで、働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
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心のケア
組織でのクレームへの対応や、細やかなメンタルヘルスケアを通じて、心身ともに安心・安全に働ける環境づくりに取り組んでいます。
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給与・処遇の改善
適正料金を確保することにより、昇給制度や資格取得を充実させるなどして、給与・処遇改善に取り組んでいます。
関係者によるコメント
筑波大学名誉教授
株式会社THF筑波大学発研究成果活用企業
代表取締役社長
田中 喜代次 教授
私の研究のメインテーマは健康増進学です。人生100年時代といわれる中で、高齢化が進む日本においては特に、歳をとっても長く働き続けられるような労働環境の整備がとても重要だと感じていました。今回の実験では、実際の勤務時間よりも短い時間であったのに、熱中症対策のための空冷グッズの活用や、“座る”警備の組み入れなどが、警備のパフォーマンスを高めるために有用であるという示唆が得られました。学術的な立場から評価すると、従来の警備のあり方では身体的に負担が大きいのは明らかです。今後、実際の警備現場において、こうした新しいスタイルが取り入れられていくことを望みます。なお、「警備=立つ仕事」という世の中のイメージが強いのも確かです。この実験を機に、警備業界全体で働き方が変わっていくことを願うと同時に、警備の新しい働き方が世の中にも受け入れられるよう、後押ししていきたいと思っています。